生活習慣病雑記


インスリン抵抗性は内臓脂肪によって起こる



インスリン抵抗性は血糖値を下げる作用をするインスリンが効きづらい状態で、これが原因で糖尿病を発症すると考えられています。しかし糖尿病に限らず生活習慣病と言われる高血圧、高脂血症などの病態の背景にインスリン抵抗性が関与していることが分かりはじめています。そしてインスリン抵抗性には脂肪細胞が関与していることも明らかになりつつあります。

血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むために、重要な役割を果たすのがGLUT4と呼ばれるたんぱくです。GLUT4は細胞内の小胞に蓄積されていますが、細胞膜の受容体にインスリンが結合して刺激が起こると、細胞膜に移動して血液中のブドウ糖を細胞内に取り込みます。

肥満によって脂肪細胞に過剰に脂肪が蓄積されて肥大化すると、脂肪細胞から遊離脂肪酸が血液中に遊離されます。特に内臓脂肪の脂肪細胞から遊離脂肪酸が多く遊離されます。遊離脂肪酸は細胞膜のインスリン受容体の働きを阻害して、GLUT4が細胞膜へ移動するのを阻んでGLUT4の機能を阻害してしまいます。インスリンが分泌されてるにもかかわらず、細胞内にブドウ糖が取り込ませにくくなってしまいます。この状態がインスリン抵抗性となります。

脂肪細胞からはインスリンの感受性を上げるサイトカインの一種であるアディポネクチンが分泌されていますが、脂肪細胞の肥大化によってアディポネクチンの分泌は低下してしまいます。逆に脂肪細胞の肥大化は、インスリン抵抗性、高血圧、血栓などの原因となるサイトカインの分泌を増やしてしまい、生活習慣病の原因となります。

インスリン抵抗性の発現には内臓脂肪が関与しています。サイトカインの分泌異常も内臓脂肪の蓄積が影響しています。腸間膜脂肪組織に貯えられた脂肪を内臓脂肪と呼び、内臓脂肪が蓄積されていると、空腹時に中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールに分解されて直接肝臓に送られます。遊離脂肪酸とグリセロールが過剰に肝臓に送られると、高血糖、高脂血症を引き起こし、動脈硬化を促進させる原因になります。

内臓脂肪はインスリン抵抗性物質を多量に分泌する器官でもあり、生活習慣病の発症やメタボリックシンドロームの根本原因としても注目されています。

関連記事