生活習慣病雑記


あまり知られていない臓器「脾臓」について



脾臓は左腹部の上方にあり、胃の後で左の腎臓に接していて、体表からは触知出来ない奥まったところにあります。

脾臓の表面は白い皮膜で覆われていますが、内部は赤血球を多量に含む毛細血管の集まりである赤脾髄と免疫機能を担うリンパ球を蓄えた白脾髄に分かれています。

成人では造血へ骨髄で行われますが、胎児の時期には脾臓で赤血球が作られています。生後は脾臓での造血の機能は失われますが、大量の出血や骨髄の機能が抑制されたときに脾臓での造血が行われることがあります。

赤血球の寿命は約120日で若い赤血球を包む膜は柔軟性に富、狭い毛細血管をスムーズに通り抜けることが出来ますが、老化した赤血球は表面の膜が硬くなりうまく通り抜けることが出来なくなります。脾臓の赤脾髄には老化した赤血球を捕らえるフィルターがあり、捕らえた赤血球を白血球の一種であるマクロファージが貪食、破壊し、鉄分だけを残して貯蔵します。貯蔵された鉄分は新たなヘモグロビンを作る材料として再利用されます。

脾臓には血液が蓄えられていて、運動時に筋肉が大量の酸素を必要とするときなどに、脾臓に蓄えられた血液を駆り出して筋肉に十分な酸素を送り届けることができるようにします。

脾臓の白脾髄では骨髄の造血幹細胞で作られた未熟なBリンパ球、Tリンパ球、形質細胞など成熟させ、血液中で増殖する病原体に対する免疫機能があります。

何らかの原因により脾臓が腫れて大きくなった状態を脾腫と言います。脾臓自体の病気ではなく脾臓を通過した血液の通り道が肝硬変で肥大した肝臓に圧迫されて滞った血球や血小板が脾臓を大きくします。また白血病・骨髄増殖性疾患・感染症など血球成分の異常な増殖などでも脾臓が大きく腫れます。

脾臓は通常の倍近くの大きさになると機能の亢進がみられるようになり、本来の異常な赤血球を破壊する働きが促進されて正常な赤血球までも破壊するようになります。赤血球の減少によって貧血を起こしたり、血小板が減少して出血傾向を引き起こします。

これらの対策として脾臓摘出の手術を行うこともあります。脾臓は免疫関連の役割を果たしていると考えられますが、脾臓を摘出しても全身への影響はほとんど見られません。

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