生活習慣病雑記


慢性すい炎の代償期と非代償期



慢性すい炎は進行すると激痛や鈍痛を繰り返す代償期を経て、5~10年ほどで非代償期に入ります。

代償期は治療によってすい臓の機能が維持でき、すい臓に石灰化や繊維化がまだ認められない時期のことです。

代償期を過ぎ非代償期になると痛みなどの症状はあまり感じられなくなり、外分泌機能の低下で消化吸収障害による体重の減少、内分泌機能低下による糖尿病を引き起こします。

血液検査ではアミラーゼやリパーゼのの値の測定をしますが、検査の数値と症状は必ずしも一致しないため、はっきりした診断はできません。

超音波やCTなどの画像診断ですい臓の繊維化や石灰化の有無を調べますが、画像診断で異常が発見されたときは病態はかなり進行している場合が多いです。

非代償期になるとすい臓の繊維化、石灰化が進み、治療によるすい臓の機能回復は望めません。代償期の内に治療を始めることが望まれます。

非代償期では、炭水化物を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂質を分解するリパーゼなどの酵素の分泌が低下し、消化吸収障害が現れます。

また、健康なときすい臓は血糖を下げるインスリン、血糖を上げるグルカゴンのホルモンを分泌しています。

分泌組織の繊維化が進むとインスリンだけでなくグルカゴンの分泌も低下し、すい性糖尿病を発症し、高血糖や低血糖になりやすく、血糖のコントロールが難しくなります。

高血糖が続くと網膜、末梢神経、腎臓などの機能障害を合併するようになります。また、低血糖も重症の場合は意識障害を起こすこともあり、ケースによっては死に至ることもあります。

慢性すい炎の進行はできるだけ遅らせたいものです。代償期の早期ならば治療によりすい臓の機能も維持できます。

すい炎に限らず、生活習慣病の多くは治すことが難しい病気ですが、早い時期から生活習慣を改善することで普通の生活を送ることができます。

また、アルコールの多飲、過食、喫煙、運動不足、ストレスなどの生活習慣病を発症する危険因子を取り除くような生活習慣を心がけて、予防に努めてはいかがでしょうか?

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