生活習慣病雑記


たばこ病とも呼ばれる慢性閉塞性肺疾患



慢性閉塞性肺疾患はCOPDと呼ばれる慢性呼吸器疾患のひとつです。別名をたばこ病ともいわれるように喫煙が大きな要因となっています。喫煙者の10~15%がCOPDを発症し、高齢者に限ると50%近くがCOPDであるといわれています。

肺の機能は20歳前後をピークにして次第に低下していきますが、汚染された空気や有害なガスや粉塵を吸い続けるような環境によって肺機能の低下は加速されます。特に大きな要因となっているのが喫煙です。喫煙は肺機能の低下を急速に進め、40歳を過ぎるとCOPDを発症する人が増加してきます。

階段の上り下り、軽い運動でも息切れをしたり、日常的にせきやたんが続いたりするのがCOPDの主な症状です。放置すると息切れがひどくなり体を動かすこともままならなくなり、日常生活に支障をきたすようになります。呼吸不全、心不全、骨粗しょう症、糖尿病などを併発しやすくなることも明らかになっています。喫煙歴のある40歳以上の方で息切れやせき、たんが頻繁に出るなどの症状があるようなら早めに専門医に相談してください。

COPDの原因の90%以上は喫煙によるものなのでたばこ病とも呼ばれています。喫煙によって気管支が炎症を起こしやがて肺胞が破壊されて呼吸が困難になります。COPDの発症は喫煙量と喫煙開始年齢などが関係し、喫煙量が多いほど、喫煙開始年齢が若いほど発症しやすく、進行も早くなる傾向があります。

たばこの消費量は1970年代まで増加傾向にあり、それから30年程遅れてCOPDによる死亡者数が増加傾向にあります。COPDの治療においては健康な肺を取り戻す根本的な治療方法は今のところありません。早期に治療を開始して悪化を防ぎ、日常生活に障害を起こさないようにすることが必要です。

COPDの治療は主に内科的治療によって進められます。病気の進行を止める第一歩としては禁煙です。禁煙しなければ病気の進行は止められません。禁煙外来などもあるので保険を使って禁煙治療も受けることができます。

また、COPD患者はインフルエンザや肺炎球菌による感染で重症化しやすいのでワクチン接種が重要になります。その他、薬物療法では呼吸を楽にするため気管を拡げる気管支拡張薬を中心に、たんをとる去痰薬、せき止めの鎮咳薬や感染症防止の抗生物質などが使用されます。

肺の機能回復や悪化させないために呼吸理学療法の実施が推奨されています。自覚症状を軽減し運動能力を向上させる効果が期待できます。

肺機能が著しく低下している場合などで、酸素の取り込みが十分にできなくなると、低酸素血症により呼吸不全の症状に陥ります。極めて高度の気流閉塞の状況になった場合は、患者の生活の質の向上などのため在宅酸素療法が行われることもあります。

今のところ、肺の機能を健康であった状態に戻す治療はないので、少しでも早い段階で気づいて治療を開始することで悪化を防ぐことができます。健康な日常生活を過ごすためには早期発見、早期治療が大切です。

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