生活習慣病雑記


痛風の合併症の痛風腎



痛風は明治時代以前は日本では知られていない病気でした。「贅沢病」とも言われるように、食生活の豊かさがもたらした病気です。

痛風の原因は血液中の尿酸が増えすぎて結晶化することで発症します。結晶化した尿酸を白血球が攻撃して、血管や神経細胞まで破壊してしまうことで激痛が起こります。

細胞の核の中の核酸を代謝してプリン体が産生され、さらにプリン体を代謝すると尿酸になります。尿酸は体内では代謝の最終的な老廃物なので腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。

尿酸の生成が過剰であるか、腎臓での尿酸の排泄がうまくいかないと、血液中の尿酸値が高くなります。血液中の尿酸値が高い状態を高尿酸血症と言い、血液中に溶けきらない尿酸が、おもに足の関節で結晶化して炎症を起こします。

尿酸の結晶が腎臓組織に沈着して炎症を起こすと痛風腎になります。痛風の合併症として最も怖いのが痛風腎なのです。初期には自覚症状がないのでほとんど気づくことはありません。尿中に尿酸の結晶が多くあると、結石が出来やすくなり、それが尿管を傷つけたりして痛みを伴ったり、場合によっては血尿が出て痛風腎に気づくことがあります。

痛風腎は腎機能を低下させ、進行すると慢性腎不全、さら尿毒症になると人工透析や腎移植が必要になります。痛風腎は自覚症状が現れるようにまでなると、相当進行している可能性があります。自覚症状がなくても、年に1回の健康診断や血液検査は高尿酸血症や他の生活習慣病の予防にも有効です。

高尿酸血症は尿酸排泄促進薬、尿酸生成抑制薬などによる薬物療法がありますが、病気そのものを治す薬ではありません。尿酸値を下げるには生活習慣の見直し改善が必要です。

尿酸は酸性では溶けにくい性質があります。食事によって血液のpHに影響を与えることはできませんが、尿のpHは食事で改善できます。酸性になりやすい肉食を減らして、アルカリ性にする野菜、キノコ、海藻などを充分取るようにして、尿から尿酸の排泄を多くします。

水分を充分に摂ることは尿酸の濃度を薄めて結晶化しにくくして排泄を促進します。糖分の多い飲料はカロリーオーバーになり他の生活習慣病の原因にもなるので、水やお茶類、砂糖抜きのコーヒー、紅茶で水分摂取しましょう。

プリン体を多く含む食品の内臓肉、魚卵、うになどは避けるように言われていますが、食品から摂取するプリン体はあまり尿酸値に影響しないことが分かってきました。最近ではプリン体の摂取はあまり制限しないようですが、プリン体の多い食事を毎日続けないように注意しましょう。

アルコールは尿酸の産生を促進するだけでなく、尿酸の排泄を抑制するので飲み過ぎには注意が必要です。痛風発作は夏の汗を多くかく時期と飲酒の機会が増える忘年会シーズンの12月に多いのです。

肥満は高尿酸血症以外にも高血糖、脂質異常症や高血圧などを併発してることが多いので、カロリーを制限して減量することが必要です。これらの症状はすべて動脈硬化の危険因子となり、改善することで生活習慣病の予防にもなります。

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