生活習慣病雑記


トランス脂肪酸は摂取したくない不飽和脂肪酸



植物油や魚油に含まれる天然の不飽和脂肪酸は酸化による劣化しやすい性質を持つため、水素を添加して酸化しにくい飽和脂肪酸に作り変えられて利用されることがあります。

その作り変える過程で飽和脂肪酸にならなかった一部の不飽和脂肪酸が変化してトランス脂肪酸になります。トランス脂肪酸は一定量以上を摂取すると悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを増加させて心疾患のリスクを高める可能性があると言われ、トランス脂肪酸を含む製品の使用を規制する国が2003年以降増えています。

マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどは不飽和脂肪酸を多く含む油脂を水素化して製造されるので、トランス脂肪酸を数%から10数%含んでいます。

また、自然界では不飽和脂肪酸にはわずかですが天然のトランス脂肪酸が含まれています。牛や山羊などの反芻動物は体内の微生物によりトランス脂肪酸が産生され、肉や乳の脂質には2~5%のトランス脂肪酸が含まれ、乳製品であるバターにもわずかに含まれています。

ファーストフード店などでは揚げ物の食感を良くするためにショートニングが使われていましたが、大手ファーストフード店ではトランス脂肪酸の含有量の少ない調理油への切り替えが行われています。さらに、まったくトランス脂肪酸を含まない調理油の研究も行われています。

パン、ケーキ、ビスケット、スナック菓子などの小麦粉加工食品にも食感の改善のためにショートニングが使われています。

一日に摂取する全カロリー中のトランス脂肪酸の割合が米国では2.6%ですが、食習慣の異なる日本では0.6%となっています。日本ではWHOの勧告の1%未満をクリアしているのでトランス脂肪酸の使用については規制していませんが、これは平均的な食生活を送る人のケースで、偏った食生活を送る人の中にはトランス脂肪酸を過剰に摂取しているケースも考えられます。

過剰摂取によるリスクとして冠動脈の閉塞、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症や認知機能の低下があります。

しかし、メーカー各社が自主規制によってトランス脂肪酸の含有量を低減させる一方で、飽和脂肪酸の使用量が増えています。また、飽和脂肪酸の過剰摂取による健康被害には、肥満や動脈硬化、心疾患などがあり、やはり危惧されることです。

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