乳酸脱水素酵素(LDH)は体内でブドウ糖からエネルギーを作り出すために糖を分解するための酵素です。
LDHはほとんどの細胞内に含まれていますが、肝臓、腎臓、心筋、骨格筋、赤血球などに多く含まれてるので、これらの臓器が障害を受けると、細胞中のLDHが血液中に流出します。
特に急性肝炎、肝臓がん、心筋梗塞の時にはLDHの検査値が著しく増加します。
他にも慢性肝炎、肝硬変などの肝疾患、腎不全、溶血、筋ジストロフィー、間質性肺炎、などでもLDHの検査値の上昇がみられるので診断の参考としては有用性があまり高くなく、総じてスクリーニング(ふるいわけ)のための検査といえます。
単独でLDHの上昇がみられるとしたら悪性リンパ種をはじめとする悪性腫瘍の可能性が考えられます。
LDHの検査値だけで病気を特定することはできませんので、さらに詳しく調べるにはアイソザイム検査を行います。
180~370IU/L (SFBC準拠法)
血液検査の基準値は実施する施設や検査方法などによって異なります。
一回だけの検査数値でなく過去の検査数値との比較が大切です。
LDHの血液検査からさらに正確な診断を行うにはアイソザイム検査を実施します。
LDHはその分子構造の違いからLD1~LD5までの5つのタイプに分けられ、それぞれの各臓器によって存在するLDH
のタイプが異なるという特徴があります。
この特徴からどの臓器が異常を発症しているかの推測ができますが、疾患の種類までを正確に判定することはできません。