ALPはアルカリ性の条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する化合物です。
肝臓、腎臓、骨、小腸、胎盤などに多く含まれ、これらの臓器が障害を受けるとALPの血液濃度が上昇します。
ALPは肝臓から胆汁の成分として胆管を通って、胆のうを経て十二指腸に排出されますが、この胆汁経路に何らかの障害があって、排出が阻害されると逆流したALPが血液中に流出します。
多くの場合は肝機能、胆道疾患の指標のひとつとして扱われます。
ALPの検査値に異常がある場合は、他の肝機能検査、特にAST、ALT、LAP、γ-GTPなどの検査値も参考にして診断します。
血液検査の基準値は実施する施設や検査方法などによって異なります。
一回だけの検査数値でなく過去の検査数値との比較が大切です。
上記の基準値はいずれも健常成人の場合で、測定方法により数値が異なります。
またALPは骨芽細胞にも多く存在するので、成長期である乳幼児から思春期にかけても基準値が異なります。
胎盤にも多く存在し、妊娠後期から分娩後数週間の血中濃度は基準値を大きく上回ります。
さらに200種類以上の薬剤がALPの値に影響を与えます。利尿剤、睡眠剤の他にも常用薬などを服用している場合は検査前に報告しましょう。
血液型がB型、O型の人は数値が少し高めで、また男女でも男性の方が高めですが、女性は高齢になると高くなります。
慢性・急性肝炎、肝硬変、肝臓がん、閉塞性胆道疾患、胆石、胆道系のがん、すい臓がん、甲状腺機能亢進症、がんの骨転移、骨粗鬆症、慢性腎不全など
ALPには6種類のアイソザイムがあります。この検査結果から疾患の部位を推定することができます。
ALP1~ALP6について、検査値が高い場合に疑われる病気